地域を主役にするシステム開発 / ハウインターナショナル

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九州工業大学 社会連携講座 Web3 Lab 成果発表会 2024 レポート

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2024年11月14日、九州工業大学飯塚キャンパスにて、ブロックチェーンエンジニアの育成を目的として開講したWeb3 Labの成果発表会が開催されました。Web3 Labは本格的なブロックチェーンエンジニアの育成とサーキュラーエコノミー(循環経済)、リーダーとなるための人間学の修習を目的とした取り組みです。本イベントは、半年間の授業を通じて培った知識や技術を発表する場であり、ブロックチェーン技術を活用した社会課題解決の革新的なアイデアが多く披露されました。

 

 

 

イベント概要

本イベントは、九州工業大学 社会連携講座 Web3 Labが主催し、情報・通信工学科の荒木研究室、アミタホールディングス株式会社、株式会社chaintope、株式会社ハウインターナショナルの協力のもと実施されました。また、福岡県未来ITイニシアティブ、飯塚市、一般社団法人飯塚友情ネットワーク、Fukuoka Blockchain Allianceが後援しました。

半年間の授業の集大成として、本イベントは学生たちの学びの成果を形にした重要な発表の場となりました。開催時間は18:00から20:30までの2時間半にわたり、参加者同士の交流や審査員との質疑応答も行われ、熱気に満ちた雰囲気の中、イベントが進行しました。

 

プレゼンテーション

今回は7チームが出場し、各チームがそれぞれ独自のアイデアをブロックチェーン技術を活用して社会問題の解決を目指すプレゼンテーションを行いました。各チームの発表内容は以下の通りです。

■チームG: 目覚め隊「起床記録と公開による朝活支援」(ハウインターナショナル賞)
指定時間内に起きられないと、その寝坊がブロックチェーンに記録され、誰でも参照可能。ゲーム感覚で参加でき、起床記録を競うイベントや、課金による起床時間の延長といった要素も導入。着眼点が評価され、ハウインターナショナル賞を受賞しました。

 

■ チームB: 情報工学部3年生ズ「ブロックチェーンが描くAIの未来」(Chaintope賞)
生成AIの膨大な電力消費問題に対処するため、様々な人が所有するGPUの演算能力を生成AIの学習時に貸し出すサービス。演算能力の提供に対してトークンが付与され、AI生成ツール「MoA」を用いたデモ実演も行われました。分散コンピューティングをトークンエコノミーをマッチングさせた事、デモの作り込みが評価され、Chaintope賞を受賞しました。

 

■ チームC: ベジタリアン「トークンエコノミーがつなぐ人と土地」(飯塚友情ネットワーク賞)
耕作放棄地の有効活用を目的とした、土地所有者と耕作希望者のマッチングプラットフォーム。フロントエンドのデモでは、貸し出された土地で収穫された作物がアプリ内で購入できる機能が紹介され、飯塚友情ネットワーク賞を獲得しました。

 

■ チームD: 脚腰鍛隊「eCo-Ride」(アミタホールディングス賞)
QRコードを使ったサイクルシェアサービス。支払った分だけ利用可能な仕組みをブロックチェーンで契約管理。デモでは自転車運動と健康促進に焦点を当て、地域の健康ポイント制度との連携も期待されています。放置自転車問題や健康問題にも焦点を当てた事が評価され、アミタホールディングス賞を受賞しました。

 

■ チームF: Bee4Lab「CareerChain」
経歴や資格情報をブロックチェーンに記録し、外部への開示を容易にするプラットフォーム。デモではカメレオンハッシュを用いた経歴参照の仕組みを紹介。資格情報の登録・編集が可能で、閲覧者が情報を参照する際のプロセスも実演されていました。

 

■ チームH: セロリとトマトと愉快な野菜たち「音楽ストリーミングDapps『SoundChain』」(最優秀賞)
既存の音楽サブスクリプションサービスにおけるアーティストへの還元率の低さを改善。スマートコントラクトによる透明な報酬分配と分散型の管理体制が強み。デモではブロックチェーンへのスマートコントラクトのデプロイとアプリ画面の実演が行われました。デモが特に高く評価され、最優秀賞を受賞しました。

 

■ チームJ: 野生のエンジニア軍団「Truth-Telling Camera」

AI生成コンテンツの氾濫に対処するため、人間が制作したコンテンツであることを証明する印を画像や映像に付与。ジャーナリストやクリエイター向けに、月額最大5,000円で提供するサービスを提案しました。

 

 

審査員コメント

審査員には、以下の各分野のエキスパートが参加しました。

 

  • 荒木准教授(九州工業大学)
    「皆さん、半年間お疲れ様でした。最初は暗号などの複雑な話から始まりましたが、皆さんの頑張りで非常に素晴らしい成果物が生まれました。特に、社会に出る前の段階でこうした開発に取り組むことが重要な第一歩になると考えます。」

 

  • 大隈主幹(飯塚市)
    「飯塚市はブロックチェーンを活用した新産業創出に取り組んでいます。そういった意味で、本日発表いただいた内容は非常に興味深く拝見しました。特に、社会課題解決というテーマが多く出てきており、大変素晴らしいと思いました。また来年もぜひ参加したいと思います。」

 

  • 宮原執行役員(アミタホールディングス株式会社)
    「健康寿命の延伸や地域課題の複合的解決を図る点が優れていると感じました。今回の成果は、エコシステムの考え方に非常に親和性があり、素晴らしい取り組みでした。」

 

  • 田中社長(株式会社ハウインターナショナル)
    「朝起きられないことをテーマにし、更にゲーム性を取り込むという着眼点が興味深かったです。自由な発想で考えたアイデアが、社会人になっても役立つと感じました。」

 

  • 安土CTO(株式会社chaintope)
    「分散コンピューティングの社会的意義がよく伝わる内容で、特にトークンエコノミーを実現する仕組みが優れていると感じました。昨年よりも大きな進展を感じ、ものづくりへの意欲を引き続き育ててほしい。」

 

 

受賞結果

  • 最優秀賞: セロリとトマトと愉快な野菜たち「音楽ストリーミングDapps『SoundChain』」

 

  • Chaintope賞: 情報工学部3年生ズ「ブロックチェーンが描くAIの未来」

 

  • 飯塚友情ネットワーク賞: ベジタリアン「トークンエコノミーがつなぐ人と土地」

 

  • アミタホールディングス賞: 脚腰鍛隊「eCo-Ride」

 

  • ハウインターナショナル賞: 目覚め隊「起床記録と公開による朝活支援」

 

まとめ

今回のイベントを通じて、学生たちの革新性と技術力の高さが改めて実証されました。審査員からは「これからの日本の未来を担う若者たちの挑戦に期待したい」との声が寄せられ、閉会の挨拶ではアミタホールディングスの宮原執行役員が「サーキュラーエコノミー、Web3といったものは一つ一つの要素は弱いかもしれないが、つながることで強くなるという考え方です。この半年間の取り組みを通じて、皆さんが学んだことや経験を、ぜひ次のステップや将来に活かしてください。」と締めくくりました。

 

参加者全員で集合写真を撮影し、笑顔と拍手に包まれながらイベントは無事に終了しました。本取組にご協力いただきました皆様、ありがとうございました。参加していただいた学生のみなさま、お疲れさまでした。

「次回もぜひ参加したい!」という声も多く寄せられ、来年の開催への期待がますます高まります!参加者の今後の活躍に期待するとともに、来年の開講、発表も楽しみにしています。

 

【九州工業大学 社会連携講座 Web3 Lab 成果発表会概要】

日時:2024年11月14日(木) 18:00〜20:30
場所:九州工業大学 飯塚キャンパス内ポルト棟
主催:九州工業大学 社会連携講座 Web3 Lab
実施主体:九州工業大学情報工学部 情報・通信工学科 荒木研究室、アミタホールディングス株式会社、株式会社chaintope、株式会社ハウインターナショナル
後援:福岡県未来ITイニシアティブ、飯塚市、一般社団法人飯塚友情ネットワーク、Fukuoka Blockchain Alliance